インタビュー:シボーン・バクリー(ハープのチューター&ディレクター)

2020年7月8日インタビュー
話し手
シボーン・バクリー:ミュージックジェネレーション・リーシュのハープのチュター&3つのハープアンサンブルと1つのハープオーケストラのディレクター
➖ハープを始めたきっかけ、演奏者としての経歴、ミュージックジェネレーション・リーシュで働き始めたきっかけを教えてください。

私はリーシュ州のカンタークにある地元の中等学校でハープを習い始めました。その学校ではハープ奏者の数を増やそうと努力しており、ハープの先生Damhnait Nic Suibhneは私にハープのレッスンを受けるよう助言し、私はそれ以来ハープを止めることはありませんでした。ミュージックジェネレーション・リーシュのハーププログラムと同様に、私は学校のある日に毎週レッスンを受け、またハープのキャリアの1年目は自宅にハープを所有していなかったので学校で練習する必要がありました。私が大学で音楽を学ぶことを決めた時、大変幸運なことに著名なハープ奏者であるAnne-Marie O’FarrellとClaire O’Donnellの授業に参加する機会を得ました。Claireはミュージックジェネレーション・リーシュの元ハープチューターでしたが、彼女が他の場所の違うポジションを引き受けて去る時に、彼女は私にミュージックジェネレーション・リーシュでの彼女の授業を引き継ぐよう頼み、それ以来ここで働いています。ミュージックジェネレーション・リーシュのチューターになることは、今後ずっと感謝すべき多くの音楽の機会を与えてくれています。

アイリッシュ・タイムズの映像で、シボーンは「レッスンはとても親しみやすく、子どもたちは友達に会うために来ることもあります。それは素晴らしいことで、もし彼らが自分たちがしていることを楽しんでいるなら、同時に音楽も学んでいるのです。」と話しています。日々のレッスンで子どもたちが楽しくハープ演奏を学び、彼らのスキルが向上するように、工夫していることを教えてください。

毎週とても多くの生徒たちがハープのレッスンを受けているため、3つのグループに分かれてクラスは運営されおり、ほとんどの学び方は耳で聴いて弾きます。それぞれのレッスンの終わりに、私はレッスンで取り上げる題材を録音し、また生徒たちに家での練習の補助として楽譜を配布します。私には特定の教えるメソッドはなく、私の向かいに座っている生徒たちに合うように毎授業調整しています。私にとって、生徒たちが授業を楽しめるように努めることは、曲を学ぶことと同じくらい重要です。もし生徒たちが授業で楽しい経験をしたら、彼らはもっと練習したいと思い、より早く上達するでしょう。創造性は私のハープの授業で大きな役割を果たし、授業では生徒たちが自分で曲をアレンジする自由があり、これは彼らが授業に深く関わることです。このことをアンサンブルのリハーサルにも適用し、私は彼らにまず曲のメロディーを教え、その後彼らが自分のアレンジとハーモニーのアイデアを試す時間をとります。このことは生徒たちが自分たちの演奏する音楽に強い当事者意識を持ち、また一団の一員とソロ演奏の両方で彼ら自身の演奏スタイルを発展させます。

前回のインタビューで音楽開発責任者のロサさんがおしゃっていましたが、世界中の著名な音楽家たちとの新しい音楽の創作は、ミュージックジェネレーション・リーシュにとって大変重要な仕事だそうですね。これまでの著名な音楽家たちと若い音楽家たちによる取り組みについて詳しく教えてください。

ミュージックジェネレーション・リーシュの生徒たちとチューターたちの両方とも、新しい音楽を創る恩恵を正しく理解しているロサという開発責任者をもち非常に幸運です。ハープアンサンブルは、2015年9月のアンサンブルの設置以来、多くの様々なプロのハープ奏者たちとともに活動する恩恵を得てきました。私たちの最初のコラボレーションは2016年スコットランドのハープ奏者カトリオーナ・マッケイとで、その時に組曲《Rising Of The Harps》は若い音楽家たちと協働で書かれました。1年後、アンサンブルはアイルランドのハープ奏者・作曲家マイケル・ルーニーとともに活動し、組曲《The Spirit Of Laois》を創る素晴らしい機会を得ました。最近ではアメリカを拠点にしている、スコットランド人ハープ奏者Maeve Gilchristが2019年に若い音楽家たちとともに《White Horses》を創りました。これら3つ全ての組曲を創るプロセスは生徒たちに特別で、これらの作曲は若いハープ奏者たちと協働でなされました。書かれた音楽は若い音楽家たちのアイデアと意見を取り入れています。各プロジェクトの最初の2、3回のリハーサルで、作曲家はリーシュに来て、プロジェクトについて若いハープ奏者たちと議論し、彼らのアイデアと意見をプロジェクトに取り入れて、これらの話し合いで議論されたことに基づいて作曲します。

作曲家・ハープ奏者のマイケル・ルーニー作曲の《The Spirit of Laois Suite》も著名な音楽家と若い音楽家たちによるコラボレーションの一つですね。《The Spirit of Laois Suite》のプロジェクトのエピソードについて教えてください。

《The Spirit of Laois Suite》はリーシュ州の若いハープ奏者たちと協働でマイケル・ルーニーにより作曲されました。マイケルはリーシュに来て、幾つかのリーシュで起こった歴史的な出来事やリーシュにある様々なランドマークについて若いハープ奏者たちと議論しました。若い音楽家たちはまたリーシュのお気に入りの訪れるべき場所や、彼らがなぜリーシュ州出身であることに誇りに思っているかの洞察を作曲家マイケルに伝えました。マイケルは全ての情報を持ち帰り、彼が作曲する組曲のインスピレーションとなりました。組曲の4番目の曲は《An Cruitire》であり、アイルランド語でハープ奏者を意味し、私シボーンのために書かれました。それは素晴らしい曲で、大変光栄であり、マイケルにとても感謝しています。

ミュージックジェネレーション・リーシュの企画で1番思い出に残っているストーリーを、写真あるいは映像とともに教えてください。

多くの素晴らしい思い出があり、一つ選ぶのは難しいです!2016年の「ニューワーク・シリーズ」はカトリオーナ・マッケイとのプロジェクトです。カトリオーナはアンサンブルと協働で《Rising of the Harps》を作曲し、素晴らしい経験となり、カトリオーナとの素晴らしい友情の始まりです。この音楽の旅は、カトリオーナとクリス・タウトとの協働以来、非常に多くの素晴らしい経験とパフォーマンスにつながっています。

前回のインタビューで音楽開発責任者のロサさんがおしゃっていましたが、新型コロナウィルスのパンデミックの中、音楽チューターたち、若い音楽家たち、彼らの家族、学校はとても柔軟に対応し、ズームでレッスンを継続していますね。ズームでのレッスンについて詳しく教えてください。

3月13日のロックダウンの始まり以来、私たちはオンラインで毎週レッスンを継続するよう励んでいます。各チューターは様々な方法をとっており、オンラインライブクラスであったり、前もって撮影したビデオであったり、彼らのクラスと教授スタイルに合うようレッスンを運営しています。私はズームでライブのハープレッスンを選んで提供しており、64人のハープの生徒たちがオンラインレッスンを利用しています。各若い音楽家たちは毎週15分の個人レッスンを受けており、グループレッスンは普通30分です。各レッスンで各生徒にいつもと同じように耳で曲を学ぶよう教えます。生徒たちが耳で学ぶことは楽譜で学ぶことと同じくらい大変な強みがあり、私たちは総合的に両方の方法で起こることを重視しています。レッスンが終わった後、生徒たちに私の演奏を録音したものと楽譜をメールで送り、生徒たちは練習するときにそれらを利用することができます。インターネット接続が悪いことが問題になることもありますが、生徒たちが学ぶことにそこまで影響していません。全体的にオンラインレッスンは全員にとって素晴らしい経験であり、若い音楽家たちの練習レベルは非常に高まっています。

新型コロナウィルスのパンデミックの中、シボーンさんが中心となりバーチャルミュージックビデオを作成していると聞いています。バーチャルミュージックビデオの作成について詳しく教えてください。

一人の音楽家として、ロックダウンによる多くのインパクトのうちの一つは、他の音楽家たちと演奏することができないことでした。私はロックダウンの間コーク州にある実家におり、私たちの日本ツアーは延期になり、パンケルティック・フェスティバルでの他のハープアンサンブルとのコラボレーションは中止になりました。ミュージックジェネレーション・リーシュ主催の毎年開催されていたモルトハウス・フェスティバルも中止となり、各自宅から安全なバーチャルでともに演奏する必要がありました。一連のバーチャルビデオの一番最初は、来日する予定であった6人の若い音楽家たちによるセント・パトリックス・デーを祝う映像です。そして、ミュージックジェネレーション・メイヨー(監督Grainne Hambly とWilliam Jackson)とミュージックジェネレーション・ルース(監督Deirdre Ni Bhuachalla)のハープアンサンブルとともに、52人のハープ奏者たちで世界中の全てのフロントラインの働き手たちを称えるためバーチャルビデオを創りました。私たちの直近のコンサートとなるはずであった日本ツアーを記念して、マイケル・ルーニーとジューン・マッコーマックがハープアンサンブルと協働で《The Spirit of Laois Suite》に含まれる《Planxty Gandon》のバーチャルビデオを創れたことを嬉しく思います。私が思う最もわくわくするバーチャルビデオは、世界中の多くの友達を招いてのトラッドオーケストラによるビデオです。曲はミュージックジェネレーション・リーシュのチューターの一人であるTommy Fitzharrisの作曲で、私たちのトラッドグループのメンバーと、メキシコのRaul Monge、スコットランドのカトリオーナ・マッケイとクリス・タウト、ベネズエラのNelson Echandia、アイルランドのZoe Conway、John McIntyre、Ryan Molloy、マイケル・ルーニーなど世界中の20人以上のプロの音楽家を含む総勢60人の音楽家を招きました。日本の松岡莉子と小松大がこのコラボレーションに参加してくれたことを大変嬉しく思います。来年に再調整される日本ツアーで彼らと演奏できることを楽しみにしています。最も最近のビデオは、オンラインで授業を受けている64人のハープの生徒たちによる、アカデミック・イヤーの終わりを祝うものです。ビデオの編集には少し時間はかかりますが、皆を一緒にするにはとてもよい方法で、幾つかのビデオは25,000回以上閲覧されました。

新型コロナウィルスのパンデミックの中、ミュージックジェネレーション・リーシュ・トラッドオーケストラが、アコーディオン奏者・作曲家のMartin Tourishとともに新しい組曲を創作しているそうですね。トラッドオーケストラの70人中約50人はパンデミック中に加入し、オンラインだけでしか会っていないとのこと。大変チャレンジングな企画だと思います。この企画について詳しく教えてください。

私はこの新しいMartin Tourishとのプロジェクト「かなわぬ夢」にとてもわくわくしています。このプロジェクトはオンラインに切り替えて実施されているため、アイルランド中の若い音楽家たちに門戸を開くことができており、私たちはこの素晴らしいプロジェクトに大変わくわくしています。このプロジェクトの目的は、Martin Tourishと協働で新しい組曲を作曲することです。ポートリーシュ出身のジェイムス・フィッツモーリスの物語を伝えるプロジェクトで、彼は大西洋西向き無着陸横断飛行に最初に成功した人物です。毎週私たちはズーム上で2時間稽古をしています。現在、キーワードとアイデア出しの段階で、Martinがフィッツモーリスの人生の様々な側面に関してのパワーポイントを準備して若い音楽家たちに見せて説明しています。そして私たちはズームのブレイクアウト機能を使って小さなグループに分かれ、彼らが見たものを議論し、いかに音楽が彼らが見た物語を描くよう形成されうると彼らが考えるかについて、アイデアやキーワードを出しています。このことと同様に、Martinは彼らにジプシー・ジャズも教えており、彼らはフィッツモーリスが聞いていたであろう音楽をバーチャル上で経験することで、理解を深めています。私の役割はブレイクアウトルームで議論のファシリテーションをすることで、音楽が作曲されてからは、音楽家たちがその曲を学ぶ手助けをすることになります。彼ら若い音楽家たちは、まずこの種のアンサンブルの学びでの経験をとても楽しんでいて、いかに全てが、その時の政府の制限次第で直接会って、あるいはバーチャル上で一緒になり演奏されるか、とてもわくわくしています。

ハープアンサンブルとともにニューヨーク、スペイン、モナコ、エディンバラなどに演奏旅行にいっていますね。これまでの海外での演奏旅行について詳しく教えてください。また、海外での演奏は、日々の国内でのプログラムとは趣旨・内容ともに異なっていると思うのですが、それについて教えてください。

私は様々なパフォーマンスのために多くのグループと海外に旅することができてとても幸運です。これらのことは若い音楽家たちにとって素晴らしい機会であり、彼らが目的とすること、先のために準備すべきことを見つける機会になっています。また、パフォーマンスの礼儀作法や、何がプロの音楽家であるかの洞察を学んでいます。ここアイルランドでの注目すべきパフォーマンスには、在アイルランド米国大使館、ダブリン大学トリニティ・カレッジ、パワーズコートホテルでの演奏があり、トラッドオーケストラのメンバーはアイルランド・ファンズ・ガラ・ディナーのため、ニューヨーク(2016年)、モナコ(2018年)で演奏し、2017年と2019年にスペインのクリエイティブ・コネクションズ・フェスティバルで演奏しました。これらのイベントのゲストは、モナコ公アルベール2世、アダム・クレイトン(U2)、マイケル・フラットレー(リバーダンス)、ジョン・フィッツパトリック(フィッツパトリック・ホテルグループ・ニューヨーク)、ジャスティン・トルドー(カナダ首相)、ジョー・バイデン(前アメリカ副大統領)などが含まれます。ハープアンサンブルのメンバーは2017年、2018年、2019年の3回エディンバラ国際ハープフェスティバルに参加し、2018年にカトリオーナ・マッケイとクリス・タウトのサポートとして演奏するよう頼まれました。2020年に、ハープアンサンブルは日本、カーディフの世界ハープ大会で演奏する予定でしたが、ともに2021年に延期になり、とても楽しみにしています。

日本ツアーへの期待と日本のお客様にメッセージをお願いします。

私は日本でミュージックジェネレーション・リーシュ・ハープアンサンブル、マイケル・ルーニー、ジューン・マッコーマックとともに演奏できることに大変わくわくしています。日本のお客様のために演奏できることは光栄であり、日本の友人とコラボレーションして演奏すること、日本の文化を経験することをとても楽しみにしています。皆様が私たちの音楽を楽しんでくれると嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA